【過去問解説(企業経営理論)】R2 第2問 環境分析と戦略

今日から過去問解説を再開します。
当面は、R2年の問題について解説していきたいと思います。

今日は企業経営理論R2第2問について解説します。

R2 企業経営理論 第2問

H.I.アンゾフは、経営戦略の考察に当たって、戦略的意思決定、管理的意思決定、業務的意思決定の 3 つのカテゴリーを基軸として、企業における意思決定を論じている。
それぞれの意思決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 管理的意思決定とは、最大の成果を引き出すための経営資源の組織化に関わる意思決定である。
イ 企業の多角化戦略は、管理的意思決定における主要な決定事項の 1 つである。
ウ 戦略的意思決定の対象となる問題は、事業活動を通じて生じることから、トップ・マネジメントが意識的に関心を寄せなくても、自ら明らかになる。
エ 戦略的意思決定は、企業外部の問題よりも、むしろ企業内部の問題と主に関わっている。
オ 戦略的意思決定は、企業における資源配分を中心としており、固定資産や機械設備など企業内部の資産に対する投資の意思決定と同じである。

解説

今回はアンゾフの経営戦略の意思決定方法に関する問題です。

この戦略的意思決定、管理的意思決定、業務的意思決定という3つの意思決定方法については、昨年(令和元年)の第3問でも出題されました。
2020年度版まとめシートではそれを反映し、以下のように表と絵で解説していたので、昨年の過去問を使ってしっかり勉強されていた方でしたら簡単に解答できた問題かと思います。


それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アはその通りで、管理的意思決定とは、ミドルつまり、中間管理職が行う意思決定です。

念のため残りの選択肢も確認しましょう。

選択肢イの企業の多角化戦略は、ミドルが行う管理的意思決定ではなく、トップが行う戦略的意思決定です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウの戦略的意思決定は、トップが行う意思決定で将来どんな業種に進出すべきかなど、会社の方向性を決める問題ですので、「意識的に関心を寄せなくても、自ら明らかになる」ということはありません。
よってこの選択肢は×と判断できます。

選択肢エについても、戦略的意思決定とは、トップが行う意思決定で、会社の方向性を決める意思決定ですので、「企業外部の問題よりも、むしろ企業内部の問題と主に関わっている」ということはありません。
よってこの選択肢は×と判断できます。

選択肢オの「企業における資源配分を中心としており」という記述は、戦略的意思決定ではなく、管理的意思決定についての記述です。
よってこの選択肢は×と判断できます。

以上から、正解は選択肢アとなります。

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4件のフィードバック

    1. 申し訳ありません。
      ご指摘の通りです。
      修正しました。
      ご指摘ありがとうございます。

  1. こんにちは。アが正解であるのは文脈から理解できるのですが、「経営資源の組織化に関わる意思決定」の組織化と言うのは、「部課長が資源を組織へ配分する」と言うニュアンスでしょうか。

    宜しくお願いします!

    1. 組織化というのはヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源を集めてきて配分して機能させることです。
      ですので、仰る通り「組織化に関わる意思決定」とは経営資源をどう配分するかに関する意思決定という認識でOKです。

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